にっこう かやぼっち の かい
−土呂部の里山風景と草原植物を守る− |
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栃木県日光市の栗山地域(旧栗山村)では、かつて、集落を囲むように草原(茅場)が広がっていました。地元の人々は草原を親しみを込めて「カッパ」と呼び、茅や草を、屋根材や牛馬の飼料、畑の緑肥として利用していました。 茅や草は秋には刈り取られ、「茅ボッチ」と呼ぶ束にした状態で干されます。たくさんの茅ボッチが並ぶ様子は、里の秋の風物詩となっていました。また、少なくとも江戸時代から人間の生活を支えてきた「カッパ」には、今では絶滅危惧種となってしまったさまざまな草原性の生き物の宝庫でした。 しかし時代の流れとともに、「カッパ」は放棄され、森に帰りつつあります。この環境の変化に草原性の生き物は減少傾向にあります。また茅ボッチが立ち並ぶ風景も限られた場所でしか見られなくなってしまいました。 そこで、2013年、日光在住の有志が中心になって「日光茅ボッチの会」を発足させ、土呂部地区にかろうじて残されている草原の、「茅ボッチのある風景」を維持し、草原の生き物たちを守る活動を始めることにしました。 |